「ノー・モア核被害者〜チェルノブイリ原発事故
から23年〜」の集い報告


 4月26日(日)午後2時より、「ノー・モア核被害者〜チェルノブイリ原発事故から23年〜」の集いが原爆ドーム前で行なわれました。参加者は約30人でした。


司会の平木薫さん

 まず原発はごめんだヒロシマ市民の会の木原省治さんが発言しました。チェルノブイリ原発は事故後、巨大な「石棺」で封じ込めたものの、現在は放射能が漏れ出し、「石棺」そのものを巨大な蒲鉾型の「シェルター」で封じ込めなければならなくなりました。2011年完成の「シェルター」を建設する費用は1500億円とも言われており、日本も60億円を負担するということです。


「原発はごめんだヒロシマ市民の会」の木原省治さん
 チェルノブイリ原発事故の被害者は、広島の被爆者と同じような心配、恐怖を感じており、ヒロシマ・ナガサキという被爆体験がありながら、なぜ日本は五十数基もの原発を持とうとするのかと疑問の声もあがっているそうです。

 チェルノブイリ原発の近くに死の街と言われるプリピャチがあります。ちょうど上関原発の建設予定地である田ノ浦と上関原発建設の影響を最も受けるであろう祝島との距離と同じくらいのところです。

 中国電力への申し入れの際に、その祝島の防災計画をどうするのかと前任の担当者に訊くと、祝島の港に防予汽船のフェリーをチャーターして常駐させるということも考えられるということを言っていたが、今度の担当者は常識では考えられないと答えたことが紹介されました。つまり防災計画が全く立てられないにもかかわらず、言わば祝島の人たちを見殺しにして中国電力は上関原発を建設しようとしているのです。

 チェルノブイリ原発から300km離れたところにも放射能に汚染されたために居住禁止となった地域があります。そして広島は上関原発建設予定地から82kmしか離れていないのです。

 木原さんは、チェルノブイリに想いを馳せながら日本の原発大国化を後退させようと締めくくって訴えを終えました。

「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)、そしてNO DU(劣化ウラン兵器禁止)ヒロシマ・プロジェクトの森瀧春子さんは、核サイクルのあらゆる段階で核被害が出ていること、インドでは原発ルネッサンスということで経済発展のために原発が増設され、ウラン鉱山で核物質が杜撰に管理されていたために周辺の住民に被害が出ていること、核不拡散条約(NPT)に加盟していないインドに原発技術や核燃料を提供するという内容の米・印原子力協定が締結されたために中国もパキスタンに原子力協力をするようになったことを指摘されました。


核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)、NO DU(劣化ウラン兵器禁止)ヒロシマ・プロジェクトの森瀧春子さん
 そして劣化ウラン兵器が人体や環境に深刻な悪影響を与えていること、2003年3月2日に“NO WAR NODU!”の人文字を行なった頃は、一般の人たちにはあまり知られていなかった劣化ウランの問題が国際的なレベルで関心が持たれるようになったこと、ベルギーでは劣化ウラン兵器が法律で禁止されたこと、EU議会では劣化ウラン兵器禁止へ向けたモラトリアムと禁止条約促進の決議が採択されたこと、2007年と2008年の国連総会で劣化ウラン兵器に関する決議が採択されたことについても報告されました。

 広島・長崎への原爆投下、スリーマイル島原発やチェルノブイリ原発の事故、劣化ウランなど核は人類そのものを傷つけ続けています。核の核兵器や原子力への利用は、劣化ウラン兵器への利用と表裏一体の問題であり、「核と人類は共存できない」という言葉は、往々にして「核兵器と人類は共存できない」と核兵器にリミットされてしまっていますが、やはり核そのものと人類は共存できないと受け止めるべきであると森瀧さんは訴えられました。

 ここで大槻さんのダンス、いさじさんのチャンゴの演奏が入りました。


ダンス・パフォーマの大槻さん




チャンゴを演奏されたいさじさん
 ボイス・オブ・ヒロシマの増田千代子さんは、上関原発の建設は28年も前から始まったこと、祝島には福島原発で働いていた人たち、「今もお金はいらない。生命の海があればいい」と言っている人たちがいることなどに触れ、上関原発建設の問題は中国電力本社のある広島の問題なのに祝島の人たちに任せているのは心苦しい、よい方法で祝島の人たちと協力し、上関原発が出来ないように、きれいな田ノ浦が残るようにしましょうと訴えました。


ボイス・オブ・ヒロシマの増田千代子さん


 ここで空想民族音楽SAYAN(サヤン)の音楽が入りました。参加者の皆さんの中からも踊りだす人があらわれました。「アジア、アフリカ、ヒロシマ、ナガサキ、チェルノブイリ、スリーマイル、ビキニ、ムルロア、セミパラチンスク、イラク、アフガニスタン、パレスティナ、コソボ、ソマリア、ロッカショ、カミノセキ、イワイジマ…」、音楽に合わせてゆかりの地がコールされました。


空想民族音楽SAYAN(サヤン)


ダンス・パフォーマの大槻さんも参加





チャンゴのいさじさんも踊ります




 第九条の会ヒロシマの藤井純子さんは、上関原発建設を止めることは広島の人間としてやらなければいけないことであることを訴えました。


第九条の会ヒロシマの藤井純子さん
 ヒロシマ革新懇の利元克己さんは、原発は国策であり、建設計画が持ち上がって何十年経ってもダムをつくろうとするように一旦決めたら変えないという問題を指摘し、このような体質は変えなければならないと訴えました。


ヒロシマ革新懇の利元克己さん


 また欧米では発電と送電とが別の会社で行なわれているのに対し日本では発電と送電とを電力会社が独占的に行なっていることの問題も指摘されました。発電と送電を別にし、電力を自由化すれば、原発は採算が合わなくなるからです。

 さらに原発被曝労働者を描いた番組を放映したテレビ局に対し中国電力が1000万円もの広告をストップしたこと、原子力がクリーンなエネルギーであるという宣伝が行なわれていることなどについて触れ、マスコミを通じたコントロールが行なわれているという問題についても指摘されました。

 最後に、アメリカのオバマ大統領がプラハで核廃絶へ向けた演説を行ない、また核再処理、高速増殖炉の計画をやめる方針を明らかにしたことに触れ、平和憲法を持つ日本政府にも何が必要なのか、原発は本当に必要なのかを明らかにさせる必要がある、頑張って行きましょうと訴え、締め括られました。

 ここで再度、木原さんから上関原発建設反対全国署名について提起がありました。今年10月3日(土)、東京・明治公園で1万人集会を行ない、その際に経済産業省へ提出するとのことです。

 そして渡辺朝香さんたちのグループの歌が入りました。


渡辺朝香さんたちのグループ



 ピースリンク広島・呉・岩国の新田秀樹さんは、これまで軍事基地に反対するということをやってきた、カヌーイストやサーファーの若者たちと上関の海でピースリンク平和船団によるデモンストレーションをやったこともある、原子力空母が広島湾へやってくるということも考えられる、ピースリンクも微力ながら頑張って行きたいとアピールしました。


ピースリンク広島・呉・岩国の新田秀樹さん


 集会の最後、プルトニウム・アクション・ヒロシマの西塔文子さんによるアピール文が読み上げられ、集会参加者によって採択されました。そして渡辺朝香さんたちによって「ふるさと」が歌われ、集会を終えました。


プルトニウム・アクション・ヒロシマの西塔文子さん



「ふるさと」を歌う渡辺朝香さんたちのグループ
 上関原発建設を止めるために、そして脱原発社会、核のない世界へ向けて共に頑張って行きましょう!

(伊達 純)



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