|
2004年11月20日 山口での「10・26」は前倒しで10月24日の日曜日に上関町で行われました。その前日に新潟の地震が起こっており、原発阻止の思いひときわです。とくに今年は、10月5日、中国電力が四代八幡宮と神社地の売買契約をしたことと、それをふまえて中国電力が、予定地の詳細調査の申請を山口県に提出することが予測されることから、「神社地売却疑惑糾明」「詳細調査断固拒否」がテーマです。この「10・24」には原水禁や市民個人が中国各地や九州からも、また韓国から、核廃棄物処分場計画反対の闘いをしている全羅北道扶安の李さん(男性)と通訳の金さん(女性)の参加があり、山口の山本由紀子さんと李さんが「君のための行進曲」という韓国の闘いの歌を歌うなど、上関が中国、九州、韓国とつながる集会となりました。 集会のあとのデモ行進は、今回も先頭は結束おとろえぬ祝島島民の会。上関大橋をわたるデモ隊と、その下を、白い波を蹴立て、「原発絶対反対」の旗をはためかせて疾走する祝島漁協船団のパレード。熱い思いが交されます。 この思いで、なんとしても、上関原発を阻止したいものです。 山口:沢村和世
広島では、10月23日に広島市女性教育センターで「美浜原発事故の真相と電力会社の体質」と題した、講演とビデオの集いが行われた。 最初に「上関原発を巡る動き」について報告。そしてこの度、長島の自然を守る会が作ったビデオ「瀬戸内スナメリものがたり」を観た後、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会の小山英之さんが、美浜原発事故の真相について講演した。 小山さんは、電力事業の自由化という流れの中で、電力会社が点検や修理に時間やお金を使わなくなった事などをきめ細かいデータをもとに話した。 参加者からも質問がたくさん出されて、中身の濃い集いとなった。小山さんは「原発の新増設反対−老朽化のむち打ち運転反対・廃炉要求−再処理反対・ウラン試験するなの運動が連帯して脱原発を目指そう」と締めくくった。 参加者は、上関原発の詳細調査に反対する山口県知事と中国電力社長への署名用紙を持ち帰った。 広島:木原省治
島根に原発が動き始めて以来、例年、この日は中国電力前で座り込みを続けてきました。当初より座り込みを続けている者が年を重ねるように、原発も2号機の再循環系配管でひび割れが見つかったように、確実に老朽化が進んでいます。自由化の波にもまれ、コスト削減を競わねばならない折に、このような原発の実態は大きな矛盾を抱えた存在です。座り込みは、回を重ねるほどに危険性を強く実感するようになります。 少し曇り空のこの日も、一刻も早く中国電力が原発から撤退することを強く求めて、島根原発増設反対運動、そして県職員労組、平和・人権・環境フォーラムからの参加者は、中電島根支社前の歩道にお昼休みの1時間、座り込みを決行しました。 とりわけ、新潟で最大2515ガルという想像を絶するほどの大きな地震が襲った事態に、多くの参加者にとっては、原発近くの活断層の存在に心配を募らせながらの参加となり、「だから止めねば」との訴えも一段と力がはいったようでした。 島根:芦原康江
許可・自由漁業は管理委員会の権限外の事 報告:三浦 翠
2004年10月21日、山口地裁岩国支部で祝島漁協が起こしている「漁業補償契約の無効確認を求める」裁判の証人尋問があった。 共同漁業権管理委員会会長の山根勝法証人と祝島漁協の組合長山戸貞夫証人の証人尋問が行われるということで、傍聴席は満員である。 2000年4月27日、中国電力と共同漁業権管理委員会(光、牛島、田布施、平生、室津、上関、四代、祝島の8漁協で構成)は、祝島漁協不参加のまま、125億5000万円の漁業補償契約を結んだ。この契約を違法として祝島漁協とその組合員3人が、中電と共同漁業権管理委員会を訴えた裁判である。 これまで、管理委の山根勝法会長は漁業法にのっとって多数決で決めたことであるから、契約は有効であると言い、一方祝島漁協は、管理委は海域の漁業を円滑に進めるための協議機関でしかなく、これまでずっとすべての話し合いによって全員一致で物事を決めてきたのに、この契約だけが多数決で決められることは受け入れられない。また、原発の温排水によって祝島の漁業権そのものが消滅するかも知れない事態を管理委員会が勝手に多数決で決めるのは主客転倒もはなはだしいとして来た。 現時点で問題となっているのは、許可漁業、自由漁業という漁業のありようで、これは漁業者個人が広い海域にわたって一人一人で権利を持っている。そのため、地先権を持つそれぞれの漁協が地先300mの海域を埋め立てることを承認したとしても、この許可・自由漁業の人たちの権利は残ることになる。従って、祝島の許可・自由漁業者がこの海域での漁業権を放棄しなければ、この海域を中電に売ることは不可能である。 これまで山根勝法会長は、「管理委は許可・自由漁業も含めて契約している」としてきた。しかしこの日、原告側の本田弁護士の「共同漁業権管理委員会の権限の中のどこに、自由・許可漁業について調整するという条項があるのか?」との尋問に対して、山根会長は「そのような条項はありません」と明言した。つまり、管理委が自由・許可漁業に対しては何の権限もないことを認めたのである。 その他、この日の裁判で「おやっ」と思ったことがある。山根会長が許可、自由漁業について意識したのは、裁判でその事が争点になってからのことであるという事。祝島漁協の山戸組合長が、この漁業補償契約書を見たのは、契約後、山戸組合長の方から求めて、はじめて共同漁業権管理委員会から送って来てからのことであったそうだ。 木原省治のコラム――住みわけ―― 先日、東京から元新聞社に勤務していた長年の知人が広島にやってきた。一日空いているというから、祝島へ行き、帰りに原発予定地のログハウスを案内した。帰京後、その人からメールでお礼の言葉が届いた。僕に元気を与えてくれる大切な物である。 木原様 きらきら光る瀬戸内海、夕映えの瀬戸内海、穏やかな「鳩子の海」を思い出しています。上関とその周辺の島々、そして海。ほんとうに美しいところですね。こんなに美しいところとは予想していませんでした。帰って地図を見たら、あのあたりは国立公園なんですね。国立公園に原発をつくることの愚がよく分かりました。こういう愚行が平然と進行しているんですね、この日本では。 ほんとうにお世話になりました。前夜あまり眠れなかったとのことですから、長時間の運転でお疲れになったことでしょう。ありがとうございました。 現地に行ってみて、大兄の反原発運動を支えているものが理解できたように思います。原発に賛成できないという理念的、イデオロギー的な理由とか意地などのほかに、あの祝島の、人のよい島民たちとのヒューマンなつながり、人間的な信頼が長年にわたる大兄の活動を支えているのだと感じました。 と同時に、闘いがこれから先極めて厳しい局面を迎えるだろうということも実感いたしました。状況はさらに厳しさを増すでしょう。それだけに、幅広い、多くの人たちを結集する戦線の構築が必要でしょう。あせらず、ご活動なされるよう祈念致します。 漁協組合長さんにもお世話になりました。どうかよろしくお伝え願います。 就職して35年以上が経つが、これまでに台風の影響などで職場から昼ころに「帰宅するように」との指示が出たことは1〜2回くらいでもあっただろうか。しかし、今年は3回も帰宅指示が出た。まさに異常気象である。猛暑、台風、熊の出没、これら全てが同じ原因のように思えてならない。 地球の温暖化と環境破壊、それらが重なって、このような状況が作られている。熊のことについて詳しい友人が「熊は、風をすごく怖がる動物なのだ。台風で熊のエサになる木の実などが無くなり、住む場所が無くなって人間の住んでいる場所に出てくるんだ」と話してくれた。その熊が人間に危害を与え、熊は射殺されたりする。熊に襲われた人は災難であるが、射殺される熊も、「犯罪意識も無く、緊急避難または正当防衛の行為によって死刑になる」のは理不尽なことと思っているのではなかろうか。地球温暖化を研究している学者によると、これから今世紀末には地球の温度は、4〜5度は上昇するだろうという警告をしている。 適材適所というか「住みわけ」というか、人間にも他の動物にもそれぞれに適した生き方、住む場所というのがあると思う。上関原発の予定地に住む希少生物は、そこが最も適した住み家なのであるが、作る必要も無い原発建設のために、神社地を購入した中国電力は詳細調査を強行しようとしている。決して許せない。 《文:木原省治》
|