反原発・反火電ちゅうごく通信

No.259


2004年12月18日

上関原発の詳細調査を許すな!

11月18日 「原発に反対する上関町民の会」など上関原発に反対する山口県の3団体が県に申し入れ

11月18/19日 「長島の自然を守る会」の高島美登里さん県庁で抗議のハンガーストライキ


詳細調査への山口県の許認可権とは

・・・原発いらん!山口ネットワーク代表 武重登美子・・・

 中国電力は、数々の不明朗な手段を用いて、上関原発炉心部分に当たる四代正八幡宮の所有地10ヘクタールを取得しました。この間22年をかけて中国電力も山口県も国も一丸となって、違法行為すれすれに、或いは脱法行為もありながら、なり振りかまわず進めてきました。
 11月12日、中国電力は神社地を「手に入れた」ことで、早速原子炉設置許可申請に必要な詳細調査の概要を山口県と上関町に説明しました。
 「神社地売却」以来、全国の人たちから、さまざまな方法で中国電力や山口県への抗議行動が行われています。しかし、二井関成山口県知事は「安全審査のために必要な調査であることから断る理由はない」としています。
 さて、ここへきて私たちが認識不足だったのか、騙されたのか、知事本人が錯覚していたのか、知事が故意に誇張して言ってたのか、2001年4月の「知事同意」の時の意見において、「建設に不可欠な用地が取得されるまで、中国電力が当該用地に係わる立地に必要な県への許認可など諸手続きを進めることは到底容認できないと考えている」(原文のまま)など、今までいかにも山口県知事が権限を持っているかのような発言を繰り返してきました。
 しかし許認可権を振りまわしてきたわりには、中国電力から届出がされ、それが法令に基づいた書類でさえあれば、県はハンコを付くだけだったというのが、県知事の認識だったのでしょうか。
 さらにもう一つ県への申し入れの都度、「係争中は許認可を下ろさない」は知事を代弁する歴代商工労働部長のセリフです。しかし、この期に及んでは「係争中のためにとは、建設に不可欠な用地が取れない時の仮定の話しである。すでに、神社地は取得したから許認可は下ろさざるを得ない」と言いかえました。
 では、「四代区共有地の係争中はどうなっているのか」と聞くと「係争中は知っているが、用地交換譲渡契約をしているので取得とみなす」とあたかもすでに勝訴を確信しているかのような口ぶりです。
 さらに問題なのは、漁業補償契約が係争中であることです。詳細調査の概要を見るかぎり、陸地で約60本、海で約60本、しかも深さは最大で200メートルにも及ぶボーリング調査、試掘抗調査、弾性波探査、音波探査など2年間の調査となっています。
 このような調査が行われる海域で、漁業で暮らしを立てている祝島の人たちにとっては死活問題となります。
 私たちの国は、三権分立を柱とする「民主国家」のはずです。権力の濫用を防ぎ、民の政治的自由を保障するためにも、立法、司法、行政が相互に独立された三機関に委ねられる原理が働かなければなりません。
 しかし、すでに行政、立法の二権は併走している現実があり、残りの司法だけが一途の望みの綱となりました。何とか、一つでも勝訴したいものと願っています。

原子炉設置に必要な詳細調査内容
◎ボーリング調査
1,2号機予定地の半径200mと取水口など
海域60カ所 陸域60カ所
海抜0mから200m掘る
◎ 地盤、岩盤の強度調査
本体予定地の10mに総延長1k、穴2mのトンネルを掘る
◎地質、岩盤調査―――予定地から半径 30k、陸=地質踏査 海=音波探査

■抗議、申し入れを無視して中国電力は申請を提出

12月10日  上関町に「農地転用」を申請(ボーリングで採取した石などの保管、場所は上関室津の上関立地事務所裏の農地)
今後 調査に必要な許認可、20件を県、上関町に申請の予定

 広島では12月5日 繁華街で「上関原発を止めさせよう!」のチラシを配布、街頭情宣をした。道行く人から「私も原発に反対です」「がんばってください」との声をもらった。

ウラン残土撤去のアピール
・・・ウラン残土訴訟を支える会 土井淑平・・・

 12月8日、鳥取地裁が核燃の自主撤去を認め、方面地区自治会の代替執行を斥けたものの、来年3月以降1日75万円の間接強制(制裁金)を課しました。自治会側は広島高裁に抗告することは必至で、舞台は高裁に移ります。
 しかし、鳥取県は核燃が計画している県立自然公園内にある麻畑地区(方面地区の隣)での保管を法的に禁止する方針なので、麻畑保管案は挫折必至です。どこまでも逃げ回る核燃を必ず追い詰めます。

島根原発2号機
シュラウドに引き続き再循環系配管でもひび割れ発見

・・・原発なんかいらんわあ松江市民の会 芦原康江・・・

 応力腐食割れが起き難いと言われていたSUS316L材のシュラウドや再循環系配管でのひび割れが確認され、昨年4月の保安院の指示による点検が各地の原発で開始されていました。その結果、2号機のシュラウドに続いて今年の12回定期検査で対象箇所の内73箇所の点検を行った再循環系配管でもひびが発見されることとなりました。
9月17日にA−原子炉再循環ポンプ出口配管につながる除染用接続口溶接継ぎ手部1箇所で長さ44mm・深さ5.4mmのひびが見つかり、同30日にはB−原子炉再循環系リングヘッダー溶接継ぎ手1箇所で長さ39mmm・深さ10.3mmのひびが発見されたのでした。
この再循環系配管については、従来の超音波探傷検査では精度良くひびのサイズを測ることができないことから、原子力安全・保安院は維持基準の適用をせず、当面取り替えるとの方針を採っていました。しかし、今年に入ってから、検査の改良を行い、精度が良くなったとして、維持基準の適用を行うと決めています。ただし、この方法について保安院は自信がないと見え、「高度な技術を習得した検査員によって行われ、一定の範囲内に測定のばらつきが収まることが証明されなければならない」として「そのための規格、制度が整備されなければならない」というのです。そこで保守的に測定値に4mmの余裕を持たせることとしています。つまり、高度な技術者も不足し、体制すら未整備であると言っているのです。それでも、健全性評価を行っても良いと言うのです。
 これでは、中電は配管を補修すらせず、そのまま運転を継続しかねないと危惧し、私たちは中国電力にデーターの公開と配管の取替えを要求しました。その後、中国電力はこの配管を取り替えることを表明しましたが、いまだ未点検の配管もあり、島根原発の安全はなんら保障されない状態で今も動き続けている状態といえます。

裁判のお知らせ
12月 9日  祝島漁協漁業補償金支払無効確認裁判 山口地裁岩国支部
12月16日  四代共有地裁判 広島高裁 控訴審
12月20日  林宮司解任地位保全の審尋 山口地裁岩国支部

寄稿:グローバリゼーションと原発

・・・原発はごめんだヒロシマ市民の会 伊達 純・・・

■グローバリゼーションとは?
 私は、「グローバリゼーションを問う広島ネットワーク」という運動にも参加しています。グローバリゼーションとは、「世界化」という意味ですが、ここでは、アメリカや日本など「北」の「先進」国や多国籍企業が、自分たちにとって都合のよい経済システムを世界、特に「南」の「第三世界」に押し付ける新自由主義経済のグローバリゼーションのことを指しています。それは、日本国内的には、国鉄や郵政などの「民営化」、「規制緩和」、農産物など貿易の「自由化」、企業の「合理化」「リストラ」、福祉・教育・医療の切り捨てなどのかたちであらわれます。電力の自由化も、グローバリゼーションのあらわれです。その結果、国内的には失業者や「ホームレス」の人たちが増加する、遺伝子組み替え作物が市場に出まわって食の安全性が脅かされる等の問題が起きています。またグローバリゼーションによって、世界は、全人口の上位20%の富裕国が世界のGDPの86%を占め、中位の60%の中流国が13%、下位の20%の貧困国が1%しか得られないという経済的な不公平な状況となっています。そしてグローバリゼーションは、自然環境の破壊や戦争の原因にもなっています。

■グローバリゼーションは脱原発につながる?
 これまで私は、反原発運動にとってグローバリゼーションは、むしろ良いことであると思っていました。電力の自由化によって、発電コストのかかる原発は、自然に淘汰されると考えたからです。現に電力会社も、「完全に電力が自由化されるならば、原子力発電所なんていうのは、建設できなくなってしまうだろう」と言っているということですし、コ・ジェネレーションなどの自家発電設備を備えたり、電力会社以外の企業から電力を購入したりする大口需要家が増えていることも言われています。しかし、ことは、そんなに単純ではなかったのです。

■グローバリゼーションによって高まる原発事故の危険性
 9/10(金)、島根原発増設反対運動の人たちとともに美浜原発の事故に関して中国電力への申し入れを行なった際、芦原康江さんは、コストの削減が美浜原発事故の原因ではないかと指摘されました。また10/23(土)の学習会「美浜原発事故の真相と電力会社の体質 講演とビデオの集い」で、講師の小山英之さん(美浜の会代表)は、電力会社が、原発の稼働率を高めたり、老朽化した炉を稼動させたりすることでコストダウンをはかっていることを指摘されました。グローバリゼーションは、良いことどころか、無理なコストダウンを引き起こし、原発事故が起きる危険性を増大させているのです。
 グローバリゼーションによって事故の危険性が増大している原発を止めましょう!

木原省治のコラム ―優しさ―

 今年も残り1ヶ月を切った。今年1年を振り返ると、相次いだ台風や災害、自衛隊のイラク派兵、多くの戦争被害者、憲法改悪の動き、そして年金・保険の改悪など良いニュースというのを探すのが難しい。特に若い人たちにとっての保険料や年金掛け金の負担は、重くなっているのではないかと思う。若い人たちへの、将来への夢や希望を無くさせてしまった僕たち大人世代の責任を感じざるをえない。もちろん、中年世代も夢が持てない状況だろうが。
 子どもたちにとっても、受難の時代である。子どもへの犯罪、虐待、いじめ。そして、朝の登校時などに、大人が子どもたちに「おはよう」の声も掛けられない状況は異常だ。
 僕にとっては、参議院選挙に立候補するという大きな事を経験した年であった。選挙以来、特にこの国の行方が心配である。この経験は、僕にカルチャーショック的なものを与えた。
 選挙といえばオーストラリアの総選挙では、民主党からオーストラリア先住民であるアボリジニーの代表が立候補したが、残念ながら当選できなかった。今年の8月6日には、アボリジニーの人たちが中心となった「国際平和巡礼団」が広島の地を訪れた。中国電力本店前の集会で、その代表は「我々の住んでいるところから、ウラニウムを掘り出さないで欲しい」と訴えた力強い声が忘れられない。
 オーストラリアの総選挙では、全体的に民主党は大きく後退したという。民主党のリン・アリソン党首は、2002年にタヒチで開催された「モルロアと私たち」という国際会議で出会った素晴らしい女性党首だった。アメリカの大統領選挙も、ブッシュでもケリーでも、どちらでも本質的には変わらないよと言われるけど、やはりケリーに勝って欲しかった。
 このような中、日本では「ヨン様」フィーバーだ。「どうなってるんだ平和ボケした日本人は」と少々不愉快さを感じていた。しかし、ぺ・ヨンジュンさんの個人的な性格は別にして、なぜこのような大ブームになっているのかを考えてみた。「冬のソナタ」を全部観たという人によると、あのドラマは、全てが「優しさ」で包まれていたという。そうなのだ、今の日本での最大の問題は、全ての面で「優しさ」が無いのだ。自然に対しても、人に対しても・・。増える自殺、環境破壊、優しさの喪失が招いた結果だと思えてならない。
 そして、あまりにも形にはまった人間を作ろうとする社会構造の強い日本。もっと様々な生き方を認め合う社会でなければ、この社会はますます息苦しいものになってしまうのではないだろうか。
 ヒロシマの体験は「悲劇と怒り」を基礎として、その到達点に「優しさ」を教えているのではなかろうか。来年は、被爆から60年を迎える。世界中で戦争や虐殺が繰り返されている時、今だからこそヒロシマから学ぶことがあると思う。来年は、改めてヒロシマの今日的な存在意味を深めてみたいと思っている。
《文:木原省治》


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