減少傾向に向かう電力需要の現状と
中国電力のサイフの中身


原発はごめんだヒロシマ市民の会:木原省治

 2009年が明け、多くの企業や役所が仕事始めの日となった1月5日、中国電力の山下 隆社長は広島にある本店2階の大講堂で、職員を前に「地域経済の一層の落ち込みで電力需要への影響は深刻さを増し、回復には相当の期間を要する覚悟が必要」と、新年のあいさつを述べた。

 それを裏付ける発表が1月26日に行われている。2008年12月の電灯電力需要実績である。販売電力量は計48億500万キロワット時で、前年同月比9.0%減と過去2番目の下げ幅である。特に産業用の大口電力は、前年比17.5%減と過去最大の下げ幅になった。大口電力の中でも化学が27%、窯業・土石が24.5%、機械が23.6%で約4分の1が減少したことになる。中国5県を見た場合では、広島が25.8%減を最大に山口、島根、岡山と続く。

 下がったのは、大口電力だけでなく、家庭用も4.5%減で、かろうじて伸びたのは商業やオフイスビルなどの業務用が1.8%の伸びとなっただけだ。

 電力需要の減少傾向は昨年の8月頃から始まり、多くの製造業で月ごとに減少率は大きくなっている。

1月30日に発表した「平成20年度 第三四半期決算」でも、販売電力量は減少しているが、燃料費調整制度(円高や原料の増加による、燃料費の高騰を電気代に転嫁する制度)の影響と皮肉にもLNG(液化天然ガス)の販売などで増収になっているが、経常損失も大きく伸び、結果的には増収・減益である。

 原子力発電の燃料であるウラン精鉱の値段も乱高下の激しいものである。アメリカや中国、インドといった国が新規に原子力発電所を建設するという動きがあると、1ポンド(約0.45キログラム)当たり130ドルを超えることもあったが、建設計画が冷え込むと50ドル程度になるという状況である。しかし一昔前に比べると、ウランの値段は大幅に上昇している。石油や石炭といった燃料価格が上がると、ウランの値段も当然跳ね上がる。ウランだけは安定しているというものではない。

 会社の借金である「有利子負債」の残高は1兆7007億円で、この額は2002年の1兆7769億円に次ぐ、高い額になる。

 このように中国電力の電力需要と財布の中身を覗いてみると、どうしても原子力発電をつくる必要があるかについて、疑問を持たざるを得ないとつくづくと感じるのである。

 これから、大きく電力需要が伸びるという予測は、ほとんど無いと思われる。かろうじて現状維持か減少に向かうだろう。

 今年も施設計画が発表される時期が近付いてきた。上関原発の計画は、また1年延長となるのは必至である。1年といわず、計画の白紙撤回をさせなければならない。設備過剰による電力料金の上昇は、予想のつくところである。

(「原発いらん!下関の会」会報『むらさきつゆくさ』掲載)



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