中国電力、上関原発建設予定地の
詳細調査を中止!


 9月15日(木)、上関原発建設に伴う詳細調査が、環境保全計画を逸脱した方法で行なわれていた問題で、「長島の自然を守る会」による中国電力および山口県への申し入れが行なわれました。中国電力への申し入れの参加者は10人。「原発はごめんだヒロシマ市民の会」からも1人が参加しました。中国電力側からはCSR(Corporate Social Responsibility 企業の社会的責任)推進室の3人が応対に出ました。

 中国電力側は、申入書で求めていた文書での回答はせず、やりとりを録音することについても、「ホームページで人名を明らかにされては困る」という対応でした。そして申入書への回答は、汚泥が海に流出していたことについては「調査したが、確認していない」、陸域ボーリング調査に伴う照葉樹林伐採が海岸の汚泥堆積に影響しているのではないかということについては、「日々パトロールし、雨が降った時にも泥水は発生していない」「貴重な生物については、動物は移動し、植物は移植している」(貴重な生物が、移動したり、移植したりすることで生き延びることができるのか?!)、ボーリング開始後の環境影響について、こちら側が指定する研究者の見解を求めることについては、「専門の学識経験者は、その都度選定している」(要するに、こちら側の指定する研究者の見解は求めないということ)、稀少貝類のヤシマイシン近似種の調査不備については、「確認していない」「調査能力は実績があり、問題はない」、上関原発建設計画の中止については、「一部の住民の反対はあるが(住民の40〜45%が反対しているのが一部なのか? 賛成しているのは過半数であっても大多数ではない!)、エネルギーの安定供給、地球温暖化の原因となっている二酸化炭素の削減、当社(中国電力)の原子力比率が低いこと、原発は経済性が優れていること(事故が起きた場合、あるいは核廃棄物の処理の問題など、どこが経済性が優れていると言うのか?)などから中止は考えていない」というものでした。

 「長島の自然を守る会」の高島美登里さんは、上関原発建設予定地で採取した異臭のする汚泥を提出しました。それに対して中国電力側は「信用できないという訳ではないが、確認していない」と回答。それに対して山口県議の小中さんは、「私は(汚泥が流れ出ているのを)見ましたよ」と反論しました。また、「どのような方法で調査したのか?」「調査データを見せて欲しい」という声もあがり、中国電力側は「目視で確認した」と答えました。つまり見せることのできるような調査データはとっていないということです。

 広島フィールド・ミュージアムの金井塚務さんは、「我々は情緒的な話をしているのではなくて、科学的な話をしている。あなた方の出してくるもの、私たちの出してくるもの、それをもとに話し合うべきではないのか」「モニターしていない、事実を見ていない、それにもかかわらず(汚泥が)出る筈がないというのは科学ではない」「上関は瀬戸内海の重要な生物相のストックであり、そこが失われたら、瀬戸内海の生物相は戻らない」と指摘し、「一緒に行って調査をしましょう」「『地球派宣言』を上関の海で撮影してはどうか」ということを提案しました。環瀬戸内海会議の湯浅一郎さんも、「系統的に調査した形跡は感じられない」と中国電力側に対して厳しい評価でした。高島さんは、「2000年からずっと上関原発建設予定地の海を見てきた。(カニやオオブンブクが死ぬなど)こんなに急に影響が出てきたのは、ボーリング調査以外に考えられない」と言いました。「上関の自然を破壊し、貴重な生き物を殺してしまえば反対する理由のひとつが無くなるとでも思っているのか?!」という声もあがりました。そして、約1時間半の中国電力への申し入れを終えました。

 翌16日(金)、上関原発建設のための詳細調査は中止となりました。釈明に訪れた中国電力の山下隆副社長に対し、山口県の綿屋滋二副知事は、中電との信頼関係のことを「地に落ちた」と切り捨て、調査の中止をつよく求め、山下副社長も、それを受け容れたということです。申し入れの前に、取材に訪れた新聞記者が、「今回は中電も折れるのではないか」ということを言っていたことを思い出しました。詳細調査の阻止行動に立ち上がった祝島の人たち、地道に定点観測を続けてきた「長島の自然を守る会」の高島さんたちが、様々なやり方で勝ち取った詳細調査の中止だと思います。しかし、これで終わりではありません。中国電力側は、飽くまで上関原発建設を推し進めようとするでしょう。これからも、様々なやり方で、上関原発の建設に反対して行きましょう。

(伊達 純)

中電が詳細調査中止 上関原発(中国新聞 9月17日)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200509170014.html

中電との信頼関係「地に落ちた」(中国新聞 9月17日)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200509170099.html


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