6/12「島根2号機プルサーマルを案じる
全国の市民」申し入れ参加報告


 6月12日(月)早朝、前日まで東京・明治学院大学で行われた平和学会に参加していた私は、東京から夜行バスに乗って松江市にやって来た。松江駅前には芦原康江さんのお連れ合いの長田さんが迎えに来てくれていた。彼から、この日の早朝に起きた大分県中部を震源とするM6.2の地震のことを訊かれたが、車中でぐっすりと眠っていた私は気づかなかった。芦原さん宅で朝食をいただいた後、全国から集まった反原発運動の仲間と合流。そして島根原発から南東約11kmのところで新しく見つかった活断層を見に行った。活断層は、あまりもはっきりとしていた。最終活動時期も千数百年前と推測されているそうだ。元島根大の徳岡さんが「教科書的、典型的な活断層」「空撮で谷が40mくらいずれて(歪んで)いた。川も曲がって流れていた。活断層があるのはわかっていた。保安院が気づかないのはおかしいと広島工業大学の中田さんも憤っていた」等と説明してくれた。これまで中国電力は、長さ約10kmの断層を「耐震設計上考慮すべき活断層」とし、それより東は「国の安全審査基準である、五万年前以降の活動を示す証拠を見つけていない」としてきたが、その前提が覆されたことになる。

 9時頃、島根県への申し入れを行なった。県の対策室から、なぜか現場のユニフォームを着た担当者が4人ほどあらわれて対応した。後で気づいたことだが、その日早朝の地震対策のためだったようだ。当初、担当者は、状況の推移を注視したいというような当り障りのないことを言っていた。しかし今回の活断層発見を受けて参加者から出された「中国電力が無いと言っていたものが出てきた。中国電力からだまされたとは思わないのか?」という質問に対して、担当者が「思っていません」と答えたことから、申し入れは紛糾した。私も、「こういった時には自治体は住民の側に立って中国電力や国にもの申さなければならないのではないか」「中国電力が、上関原発建設に伴う詳細調査を、環境保全計画を逸脱した方法で行なっていたのに対して山口県は、ポーズであるかもしれないけれども、厳正に対処した。その山口県の対応と比べても島根県の対応は際立って悪い」と発言した。遅れてきた人が「信頼性は崩壊 プルサーマルは論外」と書いた横断幕を持ってきて、担当者たちの後ろに貼り付けるということをやったりもした。そして「科学的な知見に基づいて」と言った担当者に対し、「どこが科学的なのか」という声があがったり、「5月の連休の時にも活断層が見つかって申し入れをした。今回が初めてではない」「県として直接調査する必要性は?」「中国電力の調査自体が信用できない」「なぜ間違ったのか中国電力に訊いたのか?」「断層は最低でも18kmの長さで、まだ伸びるだろう。古い知見のままで島根原発が動いている。動かすのをやめるべきだし、3号炉建設やプルサーマル導入もやめるべきだ」等の意見が相次いだ。

 島根県への申し入れを終えると、今度は松江市だった。実は松江市の担当者は、「事態を注視する」といった言葉遣いなど、島根県の担当者と大して違ったことを喋っていた訳ではなかった。しかし基本的な姿勢は住民の側に立つという点で一貫していた。それが良かったのだろう。8月に松江市が主催して行われるプルサーマルシンポジウムへ「いろいろな意見をいただきたい」ということも言っていた。県へのそれのように紛糾することなく、申し入れは終わった。島根県と松江市への申し入れは、参加者23人だった。

 昼食を終え、自動車2台で移動し、雲南市への申し入れを行なった。ここへは、こういった問題がありますよと注意を喚起するというスタンスの申し入れだった。松江市からグループを分けたので参加者は7人だった。

 次の出雲市への申し入れだが、ある意味で一番担当者の対応がマトモだった。「原子力防災という点で、黙っていても情報が来るということではないので、何とかして貰いたいと県に言っている」「その県があてにならないのでは?」「まるっきり県に頼りきりではなくて、直接中電に(疑問を)ぶつけるということもしているし、インターネットで調べたりもしている」「インターネットで調べたサイトには原子力資料情報室なども含まれていますか?」「入っています」 つまり住民の側に立ち、自分たちで独自に調べるということもしているということだ。

 斐川町への申し入れも、雲南市と同じく、注意を喚起するということにとどまった。担当者が会議で忙しいということもあった。出雲市、斐川町への申し入れの参加者は、雲南市で帰られた人もいたので、5人だった。

 申し入れを終えて感じたことだが、こういった問題に対する自治体の姿勢には温度差があるということだ。松江市や出雲市のように、住民側に立っているように見える自治体も確かに存在する。島根原発へのプルサーマル導入を止めるためには、米軍再編に伴う厚木基地空母艦載機部隊の岩国基地への移駐問題に対して岩国市長や住民投票で岩国市民が示したような「自治体の平和力」が必要なのではないか。様々なことを考えつつ、広島行きのバスに乗り、帰途についた。
(伊達 純)


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